各地で食中毒のニュースが出ている。鶏肉の生食などが原因とのことだ。入梅となり中毒の出やすい時期を受けて、地元紙でも特集を設けてその発生防止の啓蒙に努めているようだ。
食中毒というと考えるのは食当たりで、悪くなったものを食べた時に腹が痛くなったりする程度と思っていたが、どうも違うらしい。腹が痛くなる位はずっと軽いほうで、O157のように死亡に至る場合や人から人への感染〔ノロウイルス〕する場合もあるとの事である。
過去にも社会的に大きな問題になった食中毒事件がいくつか発生しており、その影響は個人を通して社会全体へとあたえるものが大きい。
今までは多少悪くなり塩梅の物でも「大丈夫と思って食べれば大丈夫」と思っていたし、実際のところ大丈夫だったのである。
がしかし、「死んでしまうこともある」との事なので、ここは少し気をつけてみたい。
●気をつけたいと思った事
○その1---生ものの保存に気をつける
二次汚染を防ぐために
↓
○その2---手を石鹸で丁寧に洗う〔手首から先を全体に満遍なく。特に指の間やつめの先〕
○その3---調理器具の殺菌〔特にまな板(熱湯消毒が良いとの事)のこまかい傷の中、包丁の柄と刃の間、など〕
○その4---水道の蛇口や栓をこまめに洗う。
以下に食中毒について記す。
@食中毒とは
体に害や毒になる微生物や化学物質等の毒素を含む飲べ物、水を人が飲んだり食べたりして起こる下痢や嘔吐や発熱などの疾病(中毒)の総称
A食中毒の種類
細菌性食中毒、ウイルス性食中毒、化学性食中毒、自然毒食中毒、その他に大別。
B食中毒の原因
飲食物などに含まれていた有害・有毒な物質を摂取することによる。
C食中毒の発生
梅雨など高温多湿となる夏期に、最も食中毒の発生件数が多い。このほとんどは細菌性食中毒である。
しかしこれ以外の季節であっても、冬期にもカキ (貝)が原因とみられるノロウイルスが原因の食中毒が多く発生する。
また、キノコやフグなどによる自然毒食中毒は、それぞれその食材の旬にあたる秋から冬にかけて多く発生する。
D食中毒の感染
かつては、人から人へ感染が及ばないものとされていたが、O157 などの腸管出血性大腸菌やノロウイルスは患者から患者へ感染するため、近年、国際的には食感染症として伝染病とあわせ対策がなされている。
E代表的な食中毒
食中毒には数多くの原因菌等があるが、 2006年度は、患者数別では、ノロウィルス、カンピロバクター、サルモネラ属菌の順であり、この3種が8割を占めた。
F細菌性食中毒
・感染型
腸炎ビブリオ - 激しい腹痛、魚介類、塩水を好むのが特徴
サルモネラ属菌
・毒素型
黄色ブドウ球菌
ボツリヌス菌
・中間型
ウエルシュ菌
腸管出血性大腸菌O157
セレウス菌 - 加熱した食品でも発症するのが特徴
・分類不明
カンピロバクター、カンピロバクター症 - 鶏肉、鶏卵、牛レバーが代表的。下痢、腹痛、発熱、血便、水様便を呈することがある。潜伏期間が2〜7日と長い。
エルシニア菌
Gウイルス食中毒
ノロウイルス
ロタウイルス
A型肝炎ウイルス
H化学性食中毒
アレルギー様食中毒
ヒスタミン
I自然毒食中毒
植物性自然毒
毒キノコ
ジャガイモのソラニン
その他、有毒植物の誤食
動物性自然毒
フグのテトロドトキシン
貝毒
マイコトキシン(カビ毒)食中毒
アフラトキシン
寄生虫
アニサキス
J予防
細菌による食中毒を予防する三大原則といわれているのは、
つけない(清潔)
ふやさない(迅速、冷却、乾燥)
やっつける(加熱など)
である。
細菌・ウイルス以外の原因による食中毒の予防は、誤食しないということにほぼ尽きる。どのようなものを食べてはいけないかをよく覚えるしかない。
寄生虫による食中毒は、細菌による食中毒の予防原則の「つけない」と「やっつける」を守ることで予防できる。
J-@つけない
一般に、生の魚介類や肉類には食中毒の原因となる菌が多く付着している。これらの食材自身は、加熱殺菌して食べたり、あまり時間を置かずに食べるなどして食中毒を防止できる。
が、しばしば盲点となるのはこれらを加工調理した器具に付着した菌である。調理器具の洗浄が不十分であった場合、器具上で菌が増殖してしまい、次に加工する食材に毒素とともに付着してしまうことがある。 また、菌が調理器具を経由して生で食べる食材に付着してしまうこともある。
この問題を避けるためには、魚介類・肉類用の調理器具と、野菜など用の調理器具を分けるのが効果的である。
特にまな板は一般家庭の調理においても、魚介類・肉用とその他用で分けることが強く推奨される。複数のまな板を準備するのが困難である場合、まな板の両面で使い分けるだけでも効果がある。
また、できるだけ生食の食材の加工を先に行ない、肉類は最後に切り刻むように心がけることも予防につながる。(調理手順の都合でそのようにできないことも多いが。)もちろん、食材の加工ごとにこまめに調理器具を洗浄することが最も重要であることは言うまでもない。
調理器具とともに、手の洗浄も重要である。糞尿には菌が極めて多数含まれているので、調理中にトイレに行った場合には必ず石鹸で手を洗わなくてはいけない。
集団調理においては、石鹸による洗浄の後にアルコールによる殺菌を義務づけているところも多い。
手と同様に、食器の扱いにも注意が必要である。例えば、焼肉店などでは生肉を焼くときに用いる箸と、焼いた肉を食べる際に用いる箸は別々にすることが推奨される。
日本の水道水においてはほぼ問題になることは無いが、食材を洗う水に菌が混入していることもある。キャンプなどにおいて、川の水で洗った野菜を生食することがあるが、これには注意が必要である。
また、途上国を中心とした上水道設備が十分でない地域においては、水道水も安全ではないと考えた方がよい。 これらの場合には、水を一度沸騰させてから使用するか、ポビドンヨード(イソジンガーグル)などのうがい薬(口中殺菌剤)を少し入れて使用すると食中毒を予防できる。
J-Aふやさない
食材を冷蔵・冷凍することは、原因菌の増殖を抑えるのに非常に効果的である。一般には、10度以下で菌の増殖は鈍り、-15度程度で増殖が停止すると言われている。しかし、いずれも菌が死滅するわけではないことに十分注意しなければいけない。
一度冷凍した食材でも解凍すれば菌の増殖は再開するし、保存温度が十分に低くない場合にはゆっくりではあるが増殖は進む。
家庭用の冷凍庫は冷却能力が低いことが多く、大きめの食材においては中心温度が十分に下がるまでにだいぶ時間がかかることがあり、その間に菌の増殖が進んでしまうことがある。
冷蔵庫に食材を大量に詰め込んだ場合、冷気の循環がうまく行かず、庫内といえども場所によっては十分に冷却されないということが発生する。一般には、最大容量の7割以上の食材を入れないことが、冷蔵庫の正しい使い方であるとされる。
高濃度の塩分には菌の増殖を抑える効果がある。しかし、効果が期待できるほどの濃度の場合、一般的にはそのまま食べるのには適さないので、梅漬けなどの少量を食べるもの以外では塩抜きをしてから食べることになる。
当然のことながら、塩抜き後は細菌の付着と増殖に十分注意しなければいけない。また、黄色ブドウ球菌や腸炎ビブリオなどは好塩菌とも呼ばれ、比較的高濃度の塩分存在下でも増殖が可能であるため、これらの菌に対する効果は若干低い。
細菌の増殖には水が欠かせないことから、乾燥させることは食中毒の予防になる。一部の食材を除いて、食材を完全に乾燥させることはできないので、この観点が重要になるのは調理器具である。
調理器具を洗浄した後はすみやかに水分を拭き取り、湿気の少ない場所に置くことが推奨される。特に木製の器具は水分が浸透して乾燥しにくいので、引き出しの中などではなく風通しの良い場所に吊るすなどの工夫が必要になる。
また、ふきんは食器を拭いた後よく乾くように、やはり風通しの良い場所に吊るさなければいけない。
J-Bやっつける
細菌を死滅させるのに最も効果が高いのは、加熱することである。食中毒の原因菌は、75度以上の環境で1分以上経つとほとんどが死滅する。
大きな食材では食材の中心が75度1分以上にならなくてはいけないことに注意しなければいけない。例えば、厚さ3cm程度のハンバーグを焼く場合、中心温度が75度以上になるまでに9分近くかかるという実験結果もある。
O157を逆から読むと、「75℃以上で1分間加熱するとバイ菌が0になる」という語呂合わせができるが、これはただの偶然である。 (ただし75度1分という加熱条件には、明らかに加熱し過ぎでこの加熱条件では製品が成り立たなくなる、という批判もある。
また、ノロウイルスを不活化するためには、中心温度85℃以上で1分間以上加熱する必要がある[3]。
中心まで十分に加熱するためには、食材の切り方を工夫したり、低火力で長時間加熱するなどの必要がある。
電子レンジによる加熱は、表面を焦がさず中心まで均等に加熱することができる。大きなハンバーグなどは電子レンジで予備加熱を行なってからフライパンなどで焼くと、安全でおいしく仕上がる。
しかし、加熱して死滅するのはあくまで細菌であり、毒素の分解温度ではない点に注意する必要がある。細菌が既に毒素を作り出している可能性がある場合には、より高温・長時間の調理が必要な場合となる。
例えば、黄色ブドウ球菌が作り出すエンテロトキシンは通常の加熱調理ではほとんど分解(失活)しない。また、E型を除くボツリヌス菌の毒素の一部は100度で10分以上、あるいは80度で30分以上加熱しないと失活しないものもあるが、E型の毒素は63度で10分の加熱により失活するなど、細菌・毒素のタイプによる違いもある。
さらに気をつけるべき点は、ボツリヌス菌、ウェルシュ菌、セレウス菌など耐熱性の高い芽胞をつくる細菌があり、これらの芽胞は100度でも完全に死滅させることができない。
75度1分以上の加熱で人体に影響を与える量以下に十分抑えることができるが、加熱後長時間放置しておけば生き残った少数の菌が増殖してしまうことになる。
酸(酢など)で殺菌を行なうことも多い。特に生の魚介類に酢やレモン汁をかけて食べる料理はマリネと呼ばれ、世界中の魚介類が豊富な地域で食べられている。
しかし、酸による殺菌効果はそれほど高いものではない。腸炎ビブリオなど酸に弱い菌もあるが、一般的な食事に適した濃度の酸で殺菌できる菌は少ない。基本的にマリネなどは生食と同等の注意が必要である。
ワサビや胡椒、唐辛子などの香辛料にも殺菌効果があるとされる。特にワサビは、その辛みの主成分であるイソチオシアン酸アリルに強い殺菌作用がある。ただし、イソチオシアン酸アリルは揮発性が高いので、長時間に渡る殺菌効果の持続は望めない。
K大規模な食中毒
森永ヒ素ミルク中毒事件(1955年)
雪印八雲工場脱脂粉乳食中毒事件(1955年)
カネミ油症事件(1968年)
熊本県のボツリヌス菌集団食中毒(1984年)
大阪府堺市のO157集団食中毒(1996年)
雪印集団食中毒事件(2000年)
--Wikipedia〔食中毒〕より抜粋--



